- 美容師インタビュー | 2022.08.30
【京都 二条城エリアの美容室femme】いつまでも「現役の美容師」であるために成長し続ける| 代表 林 清馬さん
自分の髪を任せるなら、確かな腕のある美容師さんにお任せしたい。
そんな願いを叶えてくれるのが、「femme」の林清馬さん。
コンテストで数々の受賞歴があり、クリエイション活動に力を入れ続け技術を磨き続けています。
第一線で活躍し続ける林清馬さんの美容師人生に迫ります。
京都市中京区二条城エリアの美容院femmeのご紹介
今回インタビューに答えてくださった林さんが経営する京都市中京区、二条城の向かい堀川夷川の交差点から少し東へ入った場所にある「femme」さん。
閑静な住宅街にひっそりと佇む、隠れ家のようなサロンです。
ロケーション
地下鉄丸太町駅6番出口をでて、烏丸通を南へ進み夷川通へ。
夷川通を西に曲がり、まっすぐ5分ほど歩いた閑静な住宅街の中にfemmeがあります。
インテリア
白を基調とした店内は、アンティーク家具が映えるおしゃれな空間です。
天井の高い一軒家で落ち着いた雰囲気もあり、リラックスできる居心地の良さがあります。
2Fにはリラクゼーション&ヘッドスパサロン、「AMIES」も併設しています。
学校の先生を目指して大学入学も、夢半ばで路線変更
大学入学時には全く考えていなかった美容師の道を、大学2回生で目指すことになった林さん。
どのような経緯で美容師を目指そうと思われたのか、早速聞いていきましょう。
なぜ美容師を目指そうと思われたのですか?
美容師を目指そうと思ったのは、大学2回生の頃です。
元々は学校の先生になりたかったんですけど、実際に勉強をはじめてみると少し違うなと感じたんです。
手に職をつけたくて、美容師の他にアパレルや料理人の道も考えていました。
1番はアパレルに行きたかったんですけど、将来の具体的なイメージがわかなかったので、じゃあ美容師かなってくらいの軽い感じで決断しました。
自由な髪型ができるのも魅力でしたね。
そこから大学は休学して、通信の美容学校に行きながらサロンで経験を積むことにしました。
入社後「3日で辞めたいと思った」いきなり訪れた試練
美容サロンで働き始めたものの、決して幸先の良いスタートではなかったそうです。
それでも退路を断って美容業界に飛び込んだ清馬さんは踏ん張ります。
実際にサロンで働き始めてみてどうでしたか?
3日で辞めたいと思いました。
当時は男性美容師があまりいない時代で、お客様に「触らないでください」って言われたこともあり怖かったです。
先輩もほとんど女性で、厳しく怒られることもありました。
美容師の道は違うのかなと思われることもあったのでしょうか?
ありました。
ただ、大学を休学して父と揉めて、すぐ実家を出たんです。
サロンで働かせてもらって稼いだお金で一人暮らしをして、通信のお金も出さなければいけない状況でした。
だから、辞めるに辞められなかったですね。
同世代の店長から学んだ「接客」の重要性
入社後苦労されていた林さん。
年齢の近い店長の姿から、少しずつ美容師として大切なことを学ばれていきます。
アシスタント時代に何か印象に残っていることはありますか?
入社したのが長く勤務していたスタイリストが一気に辞めたタイミングで、自分より3歳上の22歳の先輩が新たに店長になられたんです。
辞められた方から引き継いだお客様もいたと思うんですけど、週末になると土日で20人ずつぐらいのお客様を担当されていました。
正直技術に関しては他にもっと上手な方もいたのですが、すごく人柄が良い人でした。
その店長を見てるとカットの技術はもちろん大事なんですけど接客も大事で、接客頑張らないとダメかなと思うきっかけになりました。
接客において何が大事だと思われましたか?
お客様の話にしっかり耳を傾けることですね。
どういう思いでサロンに来られて、どういう風にしたいのかをしっかり聞かせていただいたうえで、お客様の要望を具現化できるような技術や知識が必要だと思います。
悔しさをバネに努力し続けたアシスタント時代
苦労した入社時から、わずか2年半でスタイリストデビュー。25歳で店長就任。
若くして第一線で活躍できた背景には、相当な努力がありました。
スタイリストデビューは、入社から2年半とすごく早いですよね。
美容学校も出ていない状態で入社したので、最初はできないことも多いですし知識もなくて、劣等感を抱えていました。
なので、朝練も夜練もやって、家に帰ってからも練習していました。
努力の成果もあり同期の3人のなかでは、1番初めにデビューできました。
比較的早くスタイリストデビューできるようなサロンだったのでしょうか?
そうでもないです。
僕が2年半でスタイリストになった時に、一期上の方は5年ぐらいアシスタントをされていました。
自分は練習量がかなり多かったと思います。
生活苦のこともあり、月に使えるお金もほぼない状態だったので、「早くスタイリストになって売上を上げないと」と思い頑張っていました。
25歳の若さで店長になられて、結果を求められるなかで気を付けていたことはありますか?
早くスタイリストになれたことが、逆に過剰な自信につながってしまっていたところがありました。
早くスタイリストになれたので、誰よりも早く結果がだせると自負していましたが全然ダメでした。
お客様に対しての接客も大事だと思って頑張ってやっているのに、なかなか担当のお客様が増えないこともあり、すごく葛藤した時期がありました。
若くして店長抜擢も苦戦。クリエイションに注力し活路を見出す
▲林さんの受賞したトロフィーの数々
美容師として順調に成長を重ねてきたものの、店長としてなかなか結果を出せない日々が続きます。
そんななかで技術を認めてもらおうと力を入れたのが、クリエイションでした。
思うように結果が出ないなかで、現状を変えるために取り組まれたことはありますか?
28歳ぐらいから、クリエイションに力を入れるようになりました。
複数店舗がある中で、店長として僕が1番若くて実績も出せていませんでした。
月1の店長ミーティングでは結構厳しいことも言われ続けていたんです。
それならクリエイティブなことを頑張って技術を身につけ、「結果はまだまだけど、技術はあるんだね」と認めてほしいという思いがありました。
担当させていただけるお客様は、すぐには増えません。
一方でコンテストに出て何かの賞に選ばれたら、それが目に見えた結果となるじゃないです。
お客様にも、賞を獲ったスタイリストに担当してもらってるということで、信用の付加価値をつけられると思い頑張っていました。
その後実際に、コンテストで結果を残しされていくわけですが、特に印象に残っている賞はありますか?
▲2011年JHA受賞作品
1番自分の中で転換点になったと思うのが、2011年のJHAでAreastylist Of The Yearをいただいた時です。
他の美容師さんの作品はハイトーンやカット面がしっかりでているクリエイティブなものが多いなかで、自分は黒髪でやっていたんです。
好きなことをやって評価していただけたのが嬉しかったですね。
クリエイションでは、何を大事にして取り組まれているのでしょうか?
一般のお客様が見ても、「個性的だけどおしゃれ」だと思える感じにしたいです。
例えば、若い時に他の方がつくられた飴細工のような精巧なデザインのウィッグを見て、「あれを作りたい」って一切思わなかったんです。
大前提として、ある程度モデルさんに落とし込んだ時に、モデルさんがかわいく見えたりとかキレイに見えることが大事だと思っています。
クリエイションを長年続けていくのは大変なことも多いと思いますが、辞めたくなることはないのですか?
▲林清馬さんのヘアショーの様子
辞めたいですね(笑)。
ただ、美容師としてお客様を担当させてもらうにあたり、受賞歴があったり継続して雑誌の掲載があったりすることで、お客様も「この人がおすすめしてくれるんだったら、この商品使ってみよう」と思っていただけると思います。
10年前までクリエイションをやってたけど今はやってないってなると、現役を引退したイメージになってしまいます。
現役でサロンに立っている以上は、外部に発信していくなどいろんなことをやっていきたいです。
クリエイション活動を続けていくことが、お客様のためにも自分自身のためにもなると思います。
クリエイションの活動を、お客様に還元できていると感じられますか?
似合わせのフィット感においては、クリエイティブなことをすることによって見せ方や見え方はすごく勉強になっています。
例えば、ショートのデザインの似合わせやカットのフォルム、カラーのデザインの落とし込みもしやすいです。
オーナーになり、生まれた意識の変化
サロンのスタッフとして働いていた時は、自分が結果を出すためにひたむきに努力を続けてきた林さん。
オーナーとなった今は、どのような思いでお仕事に取り組まれているのでしょうか?
30歳で独立されて、どのようなビジョンでお店づくりをされていますか?
独立した当時は、多店舗経営をしたいと思っていて3店舗経営していました。
30歳と若くして独立して、店舗をいっぱい持っているのがかっこいいと思っていたんです。
ただ、経営をしてみて自分の考えだけで動くのはよくないなと思い始めました。
労働環境にしても、僕がサロンで働いていた時の環境が当たり前だと思っていたんですけど、外に出てみてスタッフのために労働環境の整備も必要だなと思うようになりました。
そんななかで固定費を削減することでスタッフへもたくさん還元できると思い、改装のタイミングで店舗はまとめました。
今は以前のように無理に多店舗出店して売上を出そうとするのではなく、一つの場所でしっかり利益を上げてスタッフが長く働けるサロンをつくっていきたいです。
サロンのスタッフからオーナーと立場が変わることで、成長された部分もあるのでしょうか?
立場が変われば、思うことや見えることは違ってきます。
立場が変わることで、アシスタントの時に感じていたオーナーに対する気持ちや自分自身の環境と見え方は変わりましたね。
いつまでも最前線の美容師であり続けたい
いつまでも「最前線の美容師」でいたいと話す林さん。
林さんがイメージする「最前線の美容師」とは。
これから美容師を続けていくなかで、大事にしていきたいことはありますか?
▲林さんのInstagram。お客様のスタイルとクリエイション作品が並ぶ
お客様が一番だと思っています。
デビューした時から来てくださっているお客様も結構いらっしゃいますし、お客様を裏切らないようにしたいです。
歳を重ねて「引退したらいいんじゃない」って思われるような美容師ではなく、いつまでも現役で技術も勉強し、いろんなことにチャレンジしているスタイリストとして見ていただきたいです。
また、スタッフのこともしっかり引き上げていきたいと思っています。
femmeにいるからこそやりたいことができるように、自分もしっかり導いていきます。
いつまでも現役でい続けられるスタイリストでありたいですね。
何度も壁にぶつかりながらも、ひたむきに努力し壁を乗り越えてきた林さん。
「最前線の美容師」であり続けたいと、オーナーとなった今でもクリエイション活動にも積極的に取り組み努力を重ね成長を続けています。
長きに渡って常に第一線で活躍されている林清馬さんなら、安心してお任せできますね。
林清馬さんプロフィール
- femme オーナースタイリスト キャリア23年
- 京都美容専門学校卒。大学在学中に美容学校とのダブルスクールでサロンに勤務。京都市内サロンにて10年間勤務のち、2009年 二条にfemme設立。
- 2010 年エステサロン、2015 年femme atelier、2019 年には3 サロンを統合1F femme 2F にAMIES(spa&relaxation)open 上下で60 坪サロンに。
- 2011 年 JHA Areastylist 受賞 / KHA official ノミネート
- 2012 年 JHA Newcomer ノミネート
- 2014 年 JHA RISINGSTAR ノミネート
- 2017 年 KHA official ノミネート / THA creative 3 作品ノミネート
- 2018 年 JHA NEWCOMERノミネート /THA creative ノミネート
- 2019 年 三都杯 デザイナーズ部門 優秀賞
など、受賞歴多数。
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