- 美容師インタビュー | 2018.06.18
【京都・三条河原町の美容室 Befine becs】髪型が、気持ちに自信を与えてくれる 山田裕司さん
みなさん、こんにちは。
ヘアドレPress編集部の山内です。
今回は京都の三条河原町にある「Befine becs」にお邪魔してきました。
三条河原町の美容室「Befine becs(ビファイン べクス)」のご紹介
河原町通沿い、三条通より少し北に進んだ西側の並びにBefine becs(ビファイン べクス)はあります。
広い窓からは、沢山の自然光が差し込む気持ちのよい場所でした。
サロンデータ
営業時間 | 【平日・土曜】10:00~19:00(パーマorカラー最終受付18:00) 【日曜・祝日】10:00~18:00(パーマorカラー最終受付17:00) |
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定休日 | 毎週月曜日、第1・第3火曜日 |
住所 | 京都市中京区河原町三条上ル下丸屋町410西側 ユニティ河原町ビル2F |
席数 | セット面10席 |
メニュー・料金 |
カット:¥5,940(税込) カラー:¥7,560(税込)~ ※ミディアム¥8.100・ロング¥8.640~ パーマコース:¥11,880(税込)~ ※カット・シャンプー・ブロー込み 詳しくはコチラ>> |
スタッフ数 | スタイリスト6人/アシスタント2人 |
交通アクセス | 地下鉄[京都市役所前]より徒歩3分、京阪[三条駅]より徒歩6分 |
サロンの特徴 | 10席以上の大型サロン/19時以降の受付OK/駐車場あり/最寄駅から徒歩3分以内 |
サロン周辺地図
京阪 三条駅 西北出口 西北へ徒歩6分
京都市営地下鉄 東西線 京都市役所前駅 2番出口 南へ徒歩1分
ビル正面、右手の専用階段よりお上がりください。
ここBefine becsで働くの副店長の山田裕司さんは、「なぜその髪型にしたいのか」を見抜いてくれる美容師さんです。
「なぜ」がわかれば、自分で思い描いていたよりももっと似合う髪型を見つけられるかもしれません。
では、山田さんはどのようにしてお客さまの「なぜ」を引き出せるようになったのでしょうか。
これまでの経験とあわせてうかがいました。
コミュニケーション能力がつく芸術関係の仕事として選んだ「美容師」
美容師になったきっかけを教えてください。
もともと興味があったのは、芸術なんです。
中学生のころから先生に「芸大に行け」って言われていたんですよね。
でも芸大って、将来芸術で食べていくと思うとリスクが大きいでしょう?(笑)
何か評価されているものがあるならいいけれど、なんとなく「向いてるんじゃない」って言われただけで行くには危険だなと思いました。
それで何をしようかなと思ったときに、一番苦手なことをしようと思ったんです。
苦手なことのほうが、継続力があると思ったからです。
僕は当時、信じられないくらいコミュニケーション力がなかったんですよね。
だからコミュニケーション能力がついて、なおかつ芸術関係なら美容師かなと思って、美容師を選びました。
それまでは、美容師になろうとはまったく考えてなかったです。
なぜBefineに入社することになったのでしょうか?
当時、僕はお客としてBefineに通っていたのですが、そのとき担当のスタイリストさんに美容師になりたいという話をすると、「うちに来る?」と声を掛けてくださったんです。
でも、そもそも入れるわけがないと思っていました。
僕は専門学校に通っていたわけではないので、専門学校を通ってきたひととはまずステージが違うと思ったんです。
だから僕なんかは評価されないだろうと思って、美容業界の裏側がちょっと見えたらいいかな、くらいの気持ちで面接を受けに行ったんです。
そうしたら入社させていただけることになって、それからずっとBefineで働いています。
もともと美容師になるつもりはなかったのに、これまで続けてこられた理由は?
おもしろいな、と思ったからです。
どんな職種でも、成功するのは才能があるからだと思い込んでいたんです。
でも美容師をしていて、才能だけじゃないんだなという気づきがありました。
たとえば同じテーマでスタイルを創るにしても、美容師によってやりかたはいろいろあります。
生まれ持った才能だけではなくて、自分の好きなものや見てきたものが関係するんだなという発見がありました。
僕自身も毎年変わっていけている実感があるので、すごくやりがいを感じます。
経験から見えてきた壁と、自分の強み
サロンワークのなかで、これまでで一番苦労したことは?
ひとつは、お客さまとの価値観の違いを感じたときです。
僕は京都の宮津市というところで育ったので、田舎で生活してきた自分と、都会で生活している方とのあいだにギャップがあったんです。
ハイクラスなお客さまも多くて、自分との価値観の差に戸惑いました。
でも、ただ「高価なもの」としての価値だけではなくて、そこに「デザイン力」にも視点を置く。
すると、ものを選ぶ基準が「美しさ」になることもあるんだと気づいたんです。
そういう視点を持てるようになってからは、克服できたんじゃないかなと思います。
もうひとつは、思い描いているものに技術が追いつかないときです。
スタイリストになって5年くらい経つと余裕が出てくるので、お客さまの表情が読めるようになってくるんです。
そうすると、一見喜んでくださっているようでも、なんとなくもやもやしているな、ということに気がつき、自分の技術が足りていないことを実感しました。
それからたくさんセミナーに通ってみたりもしましたが、僕発信の技術だけでは、お客に本当にフィットするスタイルが提供できないと感じていました。
その苦労はどうやって乗り越えられましたか?
お客さまの深層心理に寄り添ったスタイルを見つけるために、カウンセリングに力を入れるようになりました。
そもそも僕は何が得意なんだろうと考えたときに、「お客さまの気持ちを読み取る」という能力がひとより長けているということに気がつきました。
だからお客さまのちょっとした表情の変化に意識が向いていたんだなということがわかったんです。
これは特技やと思って、カウンセリングの時間を増やすようにしました。
はじめにお客さまを担当させていただくときに、まず「できることじゃなくて、したいことをしましょう」と言うようにしています。
お客さまが思う「できること」の範囲に収めたスタイルではなくて、「したいこと」をするほうが一番似合うヘアスタイルになりますよって。
そういう話をすると、喜んでくださるお客さまがけっこう多いんです。
もちろんいい反応だけではないですよ。
「わかってるけど」みたいな反応も多いです。
カウンセリングでお客様の深層心理に触れる
「この髪型にしたいけど、似合わない」と思うお客さまには、どういうカウンセリングをしているのでしょうか?
お客さまが「したい髪型」と「できない理由」の裏にある本音を分析するようにしています。
そうすると髪型だけじゃなくて、顔立ちやプロポーション、そして生活環境の話になってくるんです。
たとえば「肩幅が気になるなら、髪型にボリュームを出しましょう」とか。
「身長が150センチだけどカッコよくしたいなら、個性と強さを出せるスタイルにしましょう」とか。
カウンセリングをしていくなかで、「こうしたい」の奥の部分が見えるようになってきたんです。
そういう提案のしかたが自分にはすごくしっくりきて、それからは自信も持てるようになりました。
ひとつ噛み合うと、おもしろいくらいはまっていくんですよね。
お客さまの気持ちの深い部分を理解することで、美容師として楽しみを得たという感覚を持てるようになりました。
お客さまと接するうえで、一番大切にしていることは?
緊張させないことです。
緊張させないことが、まずスタートラインじゃないかなと思っています。
ただ「緊張しているな」っていうのはすぐにわかるんですけど、それをどうしたらほぐせるかっていうのは難しいんですよね。
「目を見て話す」とか「信頼してもらえるような身ぶりをする」とかを意識してやっていた時期もあるんですけど、それで表面上は信頼してもらえても、一番大事なことってなかなか話してもらえないんですよね。
だから、時間をかけようと思っています。
「こんなふうにしたいんです!」っていうのを話してもらえるようになるまで、1年でも2年でも、焦らずに待つ。
「こうしたい!」って言えるようになってから、ひとって垢抜けますよ。
髪を切ると、気持ちが変わる。
お客さまから要望を引き出すコツがあるのでしょうか?
べつに親密な話をするわけではないんです。
お客さまも細かくあれこれ話すというよりも、「イエス」か「ノー」で答えてください、という感じで話してくださる方が多いですね。
でも、何か悩むことがあって話してくださったことに対しては、迷いが残らないようにわざと強めに答えるときもあります。
以前、僕が担当させていただいたお客さまがアメリカに行かれることになって、渡米前にカットに来てくださったことがありました。
そのお客さまは前にもアメリカに行かれていたことがあって、「やりたいことがあるから、もう一度行く」とおっしゃっていたんです。
でも僕は「やり残したことがあるから行くんじゃないの?」って言いました。
「やりたいことがあるなら、それは日本でも絶対にできるから。自分が何をやり残したのかをもっと見つめ直す時間にしてください」って。
話をしているうちに、お客さまも「それです!」ってテンションが上がってきて。
伸ばすつもりでいた髪も、「いま伸ばすのは心理的によくないと思いますよ」って説明して、結果的に、そのお客さまの人生で一番短い髪型にしました。
髪を切ると、気持ちが変わるんです。
付き合いの長いお客さまだったので、プチ卒業式みたいで、すごくいいお仕事をさせていただいたなと思います。
今後の目標を教えてください。
泣くほど喜んでもらえる美容師になりたいです。
「笑う」は愛想笑いとかもありますけど、「泣く」って、一番嘘をつけない感情だと思うんですよね。
三都杯(関西で一番難易度が高いとされているコンテスト)で優勝するのも目標で、自分がベストを尽くしたときにどう評価されるんだろうっていう楽しみがあります。
泣くほど感動させることができたら、コンテストでも優勝できると思っているんです。
感動って伝わるので、たとえばコンテストなら、モデルさんを感動させることができたら、見ているひとにも伝わると思うんです。
一生に一度でいいので、「泣く」を引き出したいですね。
「ヘアスタイルは、気持ちの部分で自信を持つための道具です」と話す山田さん。
お客さまの「気持ち」を大切にして、「やりたいこと」を叶えるという山田さんの姿勢は、わたしたちにとって何より心強い存在ではないでしょうか。
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