- 美容師インタビュー | 2018.06.15
【滋賀県東近江市の美容室SLOW FLOW(スローフロー)】自分のサロンから地域のイメージを変える
みなさんこんにちは。
ヘアドレPress編集部の大迫です。
今回は滋賀県東近江市五個荘に、2017年2月9日にオープンしたサロンSLOW FLOW(スローフロー)さんをご紹介します。
滋賀県東近江市の美容院 SLOW FLOW(スローフロー)のご紹介
席数はセット面3席ですが、室内はオープンスペースとなっているため、開放感がありました。
SLOWFLOW(ゆったりとした時間の流れ)の名前にふさわしい、落ち着きのあるプライベートサロンです。
サロンデータ
営業時間 | 9:00〜19:30 |
---|---|
定休日 | 毎週月曜 |第1・3火曜 |
住所 | 滋賀県東近江市五個荘簗瀬 404 |
席数 | セット面3席 |
メニュー・料金 |
カット:¥3,780(税込) カラー:¥7,020(税込)〜 パーマ:¥7,560(税込)〜 詳しくはコチラ>> |
スタッフ数 | スタイリスト2人/アシスタント1人 |
交通アクセス | 近江鉄道本線 五箇荘駅より車で5分 国道8号線を北へ、簗瀬(交差点)を左折し400m先左側 |
サロンの特徴 | 4席以下の小型サロン/駐車場あり |
サロン周辺地図
当日はJR能登川駅からタクシーで向かいます。
走ること15分弱、のどかな田園広がる場所に、オシャレにたたずむ一軒家のサロンが突然現れました!
この東近江市五個荘エリアで、センスの良さでは群を抜くヘアサロンSLOW FLOW。
オーナースタイリストでヘアドレ認定美容師でもある鈴木健太さんは、SLOW FLOWから滋賀のイメージを変えていきたいという大きな目標を持っています。
鈴木さんがサロンワークを通じて変えたいものとは何なのでしょうか?
目標を実現するために、これまでに積み重ねてきた成果についてもうかがいました。
SLOWFLOWで、殻を破ったちょっと新しいヘアスタイルを
SLOW FLOWでつくるヘアスタイルに、他のサロンとは違うポイントはありますか?
うちでご提案しているのはナチュラルだけどエッジィ感があるスタイルです。
例えばボブカットなら、普通よりももみあげを短くする。
そうすると、髪をかき上げたときに短いもみあげがちらっと見えます。
これだけで同じボブでも人とはちがう印象になります。
他にも前髪の内側にも短い部分をつくったり、サイドにインナーカラーを入れたりすることも、お客さまに合わせてご提案することがあります。
東京や大阪ではわりと普通なヘアスタイルでも、ここではやっている人があまりいないので少し勇気がいるようです。
でもその殻を破って、一人ひとりに合わせたちょっと新しいヘアスタイルに挑戦していただきたいと思っています。
▲鈴木さんが最近デザインしたヘアスタイル
「ちょっと新しいヘアスタイル」に挑戦してもらうために、どうやって背中を押しているのでしょうか?
もちろんお客さまのご希望が優先ですし、一般的なヘアスタイルにさせていただくこともあります。
ただ、いつものヘアスタイルに「何か新しい」と感じるポイントを入れるご提案もしているんです。
それを自信を持っておすすめできるようになったのは、屈指の難易度をほこる美容師の技術を競うコンテスト、三都杯で入賞したという結果があるからです。
難しいコンテストで、これまで僕が磨いてきたカットやカラーなどの技術、デザイン力を評価していただいたので、お客さまも満足していただけると思っています。
そういう自信と根拠を持つために、これからも三都杯やJHA(※)などのコンテストには参加して、いい結果を出し続けようと思っています。
(※)JHA:Japan Hairdressing Awards:「年度ごとに顕著な創作活動をした美容技術者を部門別に表彰」するコンテスト。1990年にスタート。
鈴木さんはご夫婦でSLOW FLOWを経営されているそうですね。
▲オープンから1周年(2018年2月9日)にSLOS FLOWの3人で。
奥さまの早紀さん(中央)、アシスタントの松宮美紅さん(左)
このサロンは、妻の早紀とアシスタントの松宮の3人で運営しています。
妻も美容師で、以前僕が働いていた同じサロンの別の店舗にいました。
実家も互いに近所なんです。
勤めていたときに結婚して、2017年2月9日にSLOW FLOWをオープンして独立しました。
お客さまからは「夫婦で仲良く働けてうらやましい」なんて言われますが、そんなこともないですよ(笑)
夫婦ですが、美容師としてはライバルのような感じもあります。
僕と出会ったはじめのころ、妻はコンテストには興味を持たず、カットのレッスンもあまり熱心にしていませんでした。
でも今ではカットスクールに通って技術を磨いていますし、2017年には三都杯のU-29部門に出場して3位、予選のコピーカットで1位という好成績をおさめました。
僕の美容師としての姿勢が、妻に影響しているんだと思います。
妻のカットがうまくなってきているのを間近で見ていて、僕も負けていられないとちょっと焦っています(笑)
地元に留まり美容師を続けてきた理由
美容師になろうと思ったのはなぜですか?
興味を持ったきっかけは、僕が小学6年生のときにやっていたテレビドラマ「ビューティフルライフ」でした。
木村拓哉さんが演じていた美容師がかっこよくて、僕も美容師になればモテそうだと思いました。
実際になってみたら、モテなかったんですけどね(笑)
それでも12年以上、美容師を続けてこられたのは、この仕事と生まれ育った地元がめっちゃ好きだからです。
僕はここから滋賀全体のイメージを変えていきたいんです。
滋賀って東京や大阪、京都などに比べて、地味でダサいというイメージがあると思うんですよ。
サロンで働きはじめたときから、将来、地元で独立して、滋賀をおしゃれな場所というイメージにしてきたいと考えていました。
ただ、意気込みがあるだけでは意味がないですから、やるからには結果を出さないとだめだということを意識してきました。
美容師として働きはじめたのも地元のサロンなんですか?
19歳のときに働きはじめたのが、滋賀でいくつも店舗を展開しているサロンです。
その実家の近くの店舗で働くようになりました。
僕が理想とする美容師は、サロンワークでお客さまに喜んでいただくことに加えて、常に新しいヘアスタイルを求めてクリエイション活動(モデルを使って前衛的なヘアデザインをつくること)をしたり、コンテストに出て結果を残したりしているような美容師です。
早く理想の美容師なりたくて、仕事が終わってから業務の復習をしたりカットの練習をしたりしていました。
アシスタント業務は通常より早く、1年で終えることができました。
でも美容師の仕事させてもらうには、先に入社した人たちが次の段階に上がるまで、順番を待たないといけなかったんです。
それから理想の美容師になりたいという情熱を失ってしまいました。
仕事の後にあまり練習しなくなり、休日も趣味のサーフィンやスノーボードに没頭するようになりました。
そんな状態ではお客さまからも支持されませんし、成果もありませんよね。
3年くらい経って、さすがにこのままじゃだめだと思うようになりました。
コンテストを目の当たりにして取り戻した、美容師としての情熱
趣味に走っていた状態から、どうやって抜け出したのでしょうか?
美容師の技術やデザイン力を競うコンテスト、三都杯の予選を見にいったんです。
会場では、美容師たちがウィッグやモデルさんのヘアスタイルをつくっていて、すごく熱気がある雰囲気に圧倒されました。
「僕と同じような目標を持って、めっちゃ頑張っている美容師がこんなにいるんや」と思ったんです。
そして、結果発表で名前を呼ばれた決勝進出者の中に、滋賀のサロンの美容師がいたんです。
「僕と同じ滋賀の美容師が、すごい結果を出している。自分も負けていられへん!」とまたやる気が戻ってきました。
この年が2009年、僕が22歳のときでした。
やる気を取り戻してから、どんな活動をはじめましたか?
三都杯は難易度がかなり高いので、まずは小規模なコンテストで実績を積んでいきました。
カットの練習は、仕事が終わった後にひとりでウィッグの髪を切っていました。
僕は理論で覚えるのが苦手で、実際に体験しないと技術は身につかないと思っています。
だからいろんなパターンをひとつずつ試していきました。
例えば同じヘアスタイルでも、カットする際に髪を引っ張る方向を少しずつ変えてみて、実際にどうなるのかを確かめました。
そうやって一個ずつ地道に学んでいくと、自信がついてきました。
休日にはモデルさんのヘアスタイルをつくって写真撮影もしていました。
つくれるヘアスタイルの幅が広がって、お客さまにも「ここをこうしたらもっとかわいくなりますよ」と、一人ひとりに合ったご提案ができるようになりましたね。
さらにお客さまに喜んでいただけるようになって、結果的に店舗の中で僕の売り上げはトップになりました。
目標にしてきた、難関のコンテストでの入賞と、SLOW FLOWオープン
▲2016年三都杯 取り組みの様子
SLOW FLOWをオープンした経緯を教えてください。
30歳までに大きなコンテストで結果を出して、自分のサロンを開くことを目標にしていました。
2016年、三都杯に29歳以下だけが出場できるU-29という部門ができて、それに初めて参加しました。
結果は優秀賞とカラーデザイン特別賞を受賞させていただくことができました。
僕はちょうど29歳で、年齢制限すれすれでいきなり入賞できて、自分でも驚きましたし、めっちゃ嬉しかったですね。
そして2017年の2月9日に、SLOW FLOWをオープンしました。
その2日後に僕は30歳になったので、ぎりぎりで目標を達成しました。
今のところなんとか目標通りに結果を出せています。
二回目に来ていただいたときが一番うれしい
▲店名のSLOW FLOW(遅い流れ)の通り、ゆったりとくつろげる雰囲気の店内。
サロンワークをしていて一番うれしいことはどんなことですか?
はじめて来られたお客さまが、次にまた来ていただいたときが特にうれしいですね。
施術した後に、カラーがきれいとか、思っていた以上にかわいくなったとか、感想をおっしゃっていただくこともうれしいですが、実際にまた足を運んでいただけたときが一番です。
それだけ僕のつくるヘアスタイルに満足して、次も期待されているということですから、やってきたことの成果が現れた瞬間だと思います。
▲鈴木さん夫妻が選んだ内装に調和したインテリアが並ぶ
長く愛されて、地元からも遠くからも来てもらえるサロンに
独立して辛いと思ったことはありますか?
独立してから、ほとんど辛いと思ったことはなくて、とにかく楽しいです。
サロンにお客さまが来ていただけるかどうか、僕の責任はとても大きくなりました。
ですが、ある程度プレッシャーがあったほうが、やりがいもあります。
SLOW FLOWがオープンして1年と数カ月ですが、うれしいことに、多くのお客さまに足を運んでいただいています。
お客さまに来ていただけることが、当たり前だとは思わないんですよ。
数あるサロンの中からSLOW FLOWを選んでいただけているということですからね。
サロンワークとかコンテストとか、僕らがこれまでに取り組んできたことの結果として、お客さまに来ていただけるんだと思っています。
だからこそ簡単なことではないという実感があります。
暇な時間ができるときもありますが、そういうときは僕たち自身で手づくりのチラシを配りに行ったりしています。
たまに外の空気を吸うのも、いい気分転換になりますよ(笑)
反対に、休みなく働いた日も、疲れるぐらい働けたことがうれしいですね。
▲SLOW FLOWをイメージしたステッカー(左)と手作りのチラシ(右)
これからSLOW FLOWをどんなサロンにしていきたいですか?
もともとおしゃれな人が集まるのではなくて、おしゃれをつくれる店というのを目指しています。
まずは近く住んでいる方に来ていただいて、「それ、どこで切ったの?」と評判になって、次に草津や近江八幡、そしてさらに遠くから来ていただけるようになればうれしいです。
SLOW FLOWに行けば、今よりもっとかわいくなれる、かっこよくなれると多くの方に思ってもらえるようになりたいです。
将来的には、他のサロンの美容師たちとも切磋琢磨しながら、滋賀全体をおしゃれな場所というイメージにしていきたいですね。
そこに辿り着くためにも、SLOW FLOWに来られたお一人お一人のお客さまに満足していただくことが大事です。
お客さまとは、長いお付き合いがしたいですね。
成人式や結婚式といった、お客さまの人生の節目に、僕たちが関わることができたらと思っています。
お客さまと大切な思い出を共有できるようになることが、美容師として何よりもうれしい成果かもしれません。
SLOW FLOWをそれだけ長く、お客さまに愛されるサロンにしていきます。
鈴木さんは大きなゴールに向かって、難関コンテストでの入賞、地元での独立など、掲げた目標を着実に達成し、成果を残しています。
自分にストイックな鈴木さんですが、話している最中は常に穏やかな笑顔で、サロンの運営と美容師の仕事を心から楽しんでいるようでした。
私も髪をカットしてもらうなら、向上心を持ちながら仕事を楽しんでいる鈴木さんのような美容師さんが理想だと思います。
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