- 美容師インタビュー | 2022.08.16
【京都市三条通の美容室 NABIGE】お客様が心から「かわいい」と思えるスタイルへ |貝原親佳さん
理想のスタイルはあるけれど、なかなか一歩が踏み出せない。
そんなとき、「気軽に相談できる美容師さんがいたら…」と考えてしまいます。
センスが良くて、親しみやすく、一緒にいて心地いい美容師さん。
そのイメージにぴったりなのが、京都市中京区「NABIGE」のスタイリスト、貝原親佳さんです。
今回は柔軟な姿勢で一人ひとりに寄り添ったスタイルを提案する、貝原親佳さんにお話を伺いました。
京都市中京区エリアの美容院 NABIGE のご紹介
「NABIGE(ナビッジ)」はアート&ファッションストリートとして個性豊かなスポットが集まる、三条通りにあるサロンです。
働く女性や主婦、学生さんなど、幅広い方から人気を集めています。
ロケーション
NABIGEがあるのは三条富小路北西角、サクラビルの3階。
ちょっとレトロな感じがかわいい有形文化財のビルには、主に女性向けのファッションや雑貨のお店が集まっています。
サロンの雰囲気
「たくさんのお客様にくつろいでいただけるように」と願いをこめたという店内は、アンティーク調のインテリアで統一。
「座っているだけで居心地のいいお店」を目指し、お客様に合わせて声のトーンや会話内容を変えるなど、細やかな気配りをされているのだとか。
別世界に入り込んだような特別な空間で、日常を忘れてゆったりとした時間を過ごすことができます。
ワーホリで人生一変!服の世界から美容師へ
ではここから、貝原さんの美容師人生について伺っていきましょう。
広島県出身という貝原さんですが、なんと高校卒業時は美容師ではなく、服の世界を目指して服飾の専門学校に進んだとか!
道を変えるきっかけになったのは、1年間のワーキングホリデーでした。
服飾の世界から、どうして美容師へ?
おしゃれが好きだったので服飾の学校を選びましたが、「本当に服の道にいっていいのかな?」と悩んでいたんです。
そこで就職はせず、ワーキングホリデーを使ってオーストラリアで1年間過ごしていました。(ワーキングホリデーとは、18〜30歳を対象に1年間海外への旅行や就労を認める制度のこと)
「服以外のことをしてみたい」と思って始めたのが、日本人の方が経営する美容室でのアルバイト。
そこでアシスタントとして働きつつ、レッスンも受けさせてもらっていました。
その頃からレッスンをしていたんですね!
そうなんです。
でもレッスン自体、すごく楽しくて!
服の世界はひらめきやアイディアが重視されているんですが、美容師はその逆。
地道にコツコツ積み上げていく感じが、私に向いているなぁと感じました。
世界中のどこでも仕事ができるというのも、美容師を目指した理由の一つ。
実は当時から「いつか世界一周したい」という夢があって。
美容師であればその夢を叶えられる!と思いました。
そこで美容師免許をとるために日本へ帰国し、京都の専門学校の通信過程で本格的に勉強することにしたんです。
京都に決めた理由は?
▲NABIGEスタッフのみなさん
海外にいたので「日本らしいところに住みたい」と思っていて。
実際に行ってみてさらに街並みが好きになったので、それで京都に住もうって決めました。
最初の3年間は資格試験に向けて勉強しながら、NABIGEでアシスタントとして働いていましたね。
うちのお店は基本的に終業後のレッスンだけ。
でも私はとにかく早くスタイリストになりたかったので、朝や休みの日もお店に行ってひたすら練習していました。
他にやりたいこともなかったので、ほとんどお店にいましたね(笑)。
仕事と勉強の両立に加えて自主レッスンまで…!辛くはなかったですか?
それほど苦ではなかったんですよ!
レッスン自体好きだったし、できることが増えていく感覚が私の中ではすごく楽しいなぁって。
1つ1つ課題をクリアしていくっていう、ゲームみたいな感じでした(笑)。
デビュー直後にコンテスト優勝!?世界観を大切にした作品作り
努力の甲斐あって国家試験に一発合格し、その後すぐにスタイリストデビューも果たした貝原さん。
なんとデビュー直後に出場した『三都杯 DESIGNER’S CONTEST 2019』では、初出場にも関わらずいきなり優勝したというから驚きです!
デビュー直後はどうでしたか?
2019年の8月頭にデビューしたんですが、月末には三都杯があったので準備に忙しくって…。
この時期は人生で1番バタバタしていましたね(笑)。
新規のお客様はできるだけ担当させてもらって、あとは街に出てひたすらコンテストのモデル探しをしていました。
でも多忙なおかげで「自分のお客様が増えない」とか落ち込む暇もなかったし、2つを同時並行することでそれぞれの不安や焦りを解消できていました。
なので、私としては忙しくて良かったなと思います。
初めてのコンテストでは、どのようにスタイルを作りあげたのですか?
初めて出た三都杯2019のテーマは「Update Classic」。
レトロなものが好きだったこともあり、どんな世界観でスタイルを作るかはわりとすぐイメージできたんです。
決勝大会まで進めたものの、モデルが見つからなくって…。
ようやく決まったのは、ちょうど本番の1ヶ月前でした。
実はその子、街で1回見かけていたんです。
その時にも「いいな」と思っていたんですが、あえて声をかけず…。
もう一度その子を見かけたときに「やっぱこの子やわ」と確信して、そこでやっと声をかけてモデルをお願いしました。
自分の世界観にぴったりの子を見つけたくて、モデル選びはこだわりましたね。
0からの作品作りは大変ではなかったですか?
同年に参加したステージショーで、他店のスタイリストさんから世界観を大切にした作品作りを学ばせてもらっていたんです。
その経験を活かして、自分の作品もつくっていきました。
またコンテスト経験者であるオーナーから、何度も何度もアドバイスをもらっていましたね。
「もうちょっと自分でやってみたら?」と言われるくらい…(笑)。
コンテスト自体初めてだったので、分からないことだらけ。
周りの人に意見をもらいながら、客観的に作品をみるようにしました。
コンテストがあるから実現できる、お客様目線のスタイル
2019年に三都杯優勝を果たしたあとも、毎年コンテストへの挑戦を続けている貝原さん。
クリエイション活動は普段のサロンワークにどう活かされているのか、聞いてみました。
コンテストでの経験を通して、サロンワークにも変化はありましたか?
ありました!
ブリーチや大胆にカットするスタイルにも、自信が持てるようになりましたね。
コンテストって始まると楽しいけれど、準備中はめちゃくちゃしんどいんですよ。
2〜3ヶ月の準備期間のなかで、1つのスタイルについて「何が可愛いんやろう?」とひたすら考え続けて…。
そうやってずっと髪型と向き合う期間を乗り越えると、必ず「あ、私うまくなったんだな」と思う瞬間がくるんです。
カットやカラーの技術もそうですけど、色の合わせ方やデザインの入れ方など、以前の自分じゃ思いつかなかったデザインが作れるようになっている。
クリエイション活動が技術やデザインの進歩に直結しているなと思います。
お客様にも変化はありましたか?
指名してくださるお客様が増えた実感はありますね。
切り込むスタイルやデザインカラーなど、私のスタイルに共感してくださる方が増えているのか、周りからは「親佳ちゃんっぽいお客様が増えたよね」なんて言われています(笑)。
コンテストを観てくださる方もいるので、お客様の応援がクリエイションの励みにもなっていますね。
普段の接客や提案で心がけていることはありますか?
お客様とお話させていただく中で、「やってみたいスタイルはあるけれど、なかなか一歩が踏み出せない…」という悩みを感じることがよくあります。
そんなときは、お客様の背中を押すような提案を心がけています。
理想通りのスタイルにはできないとしても、カットやデザインを工夫して雰囲気やイメージを近づけていけば、絶対に似合うスタイルは作れると思うんです。
ときには「こうすれば似合いますよ!」と提案し、ときには「どうしましょうか〜?」と一緒に悩みながら…。
お客様に心から「かわいい!」と思っていただけるスタイルを提供できるように、日々試行錯誤を続けています。
今は仕事に没頭したい!多忙な日々を支える〇〇
休みの日もコンテスト準備やレッスンなど仕事中心の生活を送っている貝原さんですが、最近新たに夢中になるものができたのだそう!
最近ハマっていることはありますか?
▲貝原さんのinstagram。ヘアスタイル以外にもアートやファッションに関する投稿が並ぶ
美術館でアートを観たり、映画を見たりするのも好きなんですが、コンテスト準備もあってなかなか行けず…。
実は最近、ジャニーズの「SnowMan」にハマっています。
アイドルにハマっていると人に言うのは、ちょっと恥ずかしいんですけど…!
ですが、夢中になれるものがあって幸せです(笑)。
どんなお客様にも「いいな」と思ってもらえる美容師になりたい
抜群のデザイン力で、今後も活躍が期待される貝原さん。
最後に今後の展望を伺いました。
今後はどんな美容師になりたいですか?
うちのお店は三条という場所柄もあって、様々な立場のお客様がいらっしゃいます。
働いている方や家庭に専念している方、大学生さんなど…。
色々な方がきてくださるからこそ、どんな方にも「いいな」と思ってもらえる美容師になりたいなと思っています。
まだ足りないところばかりですが、特に技術力をもっともっと磨いていきたいです!
NABIGEのオーナーはもちろんですが、女性スタイリストさんの接客や雰囲気がとても参考になっているんです。
身近な先輩方から、しっかり学んでいきたいです。
自分の感性を研ぎ澄ませるクリエイションと、相手の「かわいい」に寄り添ったスタイルが求められるサロンワーク。
その2つを両立しながら、美容師としての引き出しをどんどん増やしている貝原さん。
こちらまで笑顔になれるような、さっぱりと明るい人柄も印象的でした。
貝原さんとなら「こんなのはどう?」「こっちもかわいいよね!」なんて盛り上がりながら、楽しく髪をケアすることができそうです。
貝原親佳さんプロフィール
- NABIGE スタイリスト
- 広島県出身・キャリア8年
- 26歳で三都杯初出場、初グランプリを獲得。
抜群のセンスで今後も活躍が期待される、若手注目のスタイリスト。 - 三都杯 2019オフィシャルデザイナーズ部門 グランプリ、女性モード社賞、DADA CuBiC 古城 隆賞、MINX 岡村 享央賞
- KHA 2020年フューチャースター部門ノミネート
- 三都杯 2020オフィシャルデザイナーズ部門 優秀賞・Kaako賞
- 三都杯 2021オフィシャルデザイナーズ部門 新美容出版賞・MINX賞・LECO賞・ kakimoto arms賞
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